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ダイヤの歴史

マリー・アントワネットとダイヤ

マリー・アントワネットとダイヤ

ダイヤを愛した有名人というと、たいてい一番に名前があがるのがフランス王妃マリー・アントワネット。
マリー・アントワネット(1755-1793)が生きていた18世紀、ダイヤは今よりずっとずっと高価なものでした(1720-50年頃で全世界でまだ30万カラットの産出量しかありませでした。ちなみに現在は、1億2000万カラットほどだそうです)。
そんな時代、マリー・アントワネットの名前を利用したダイヤの詐欺事件、「首飾り事件」(1785)が起こりました。
当時ラ・モット伯爵夫人と自称する女性がパリの社交界に出没していました。彼女は王妃マリー・アントワネットのお気に入りであるとの触れ込みでした。
そのラ・モット伯爵夫人が、ストラスブールの大司教にこういうことをいいます。
「実は今、パリに来ている宝石商が160万リーブルのダイヤの首飾りを持っています。
王妃がこれを買う意向なのですが、さすがに大金なのでお金を用意するのに時間がかかります。そこであなたが王妃の代理としてこの首飾りを受け取って頂けませんか?
私が確かに王妃にお届けして、あなたのお願いの義もお伝えしますので」
大司教は王妃とコンタクトが取れると聞いて大喜びでこの役目を引き受け、宝石商も王妃のお買い上げと聞き、しかも話を持ってきたのが大司教ですから信用してこの高価な首飾りを渡してしまうのです。
しかし、宝石商が聞いていた支払いの期限が来てもお金が支払われる様子はありません。
そこで宝石商はヴェルサイユ宮殿に赴き「恐れながら...」というと、マリー・アントワネットは、そんな話は寝耳に水なのでびっくりします。
結局調べてみると、ラ・モットなどという名前の伯爵夫人はそもそも存在せず、完璧な詐欺事件であったことが判明したのです。
この事件に関してマリー・アントワネットには何の責任もないわけなのですが、
「王妃の名前を騙れば、そんな高額の買い物ができるのか?」
「国民がこんなに苦しんでいるというのに、王妃はそんな贅沢をしているのか?」
などといわれ、マリー・アントワネットの人気は急落してしまいます。
彼女が演劇を見に劇場へ行くと、観客の中から激しいブーイングが起きるなど、彼女は劇場へ顔を出せなくなってしまいます。
この事件は国民に大きな衝撃を与えることとなりました。

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