ダイヤの4C
カット
次に "Cut" カットとは、「形状、研磨、仕上げの状態」を格付けする基準です。
「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」｢Pour｣の5段階で評価されます。
ここで注意したいのは、カットとは形状の種類を指すシェイプのことではなく、カット職人によって、いかにダイヤモンドの原石を光を取り込み輝くような形状にカットし研磨しているかを評価する基準のこととなります。
また、カット評価の対象となるのはラウンドブリリアントカットで、カラーが＜D〜Z＞、クラリティが＜FL〜I3＞のダイヤと決まっています。
カットの評価は、プロポーション（光のダイヤの深さ、ガードルの厚さ、テーブル径、ファセットの角度など）とフィニッシュ（シンメトリー【対称性】、ポリッシュ【研磨の良し悪し】、キューレットの大きさと状態、ガードル面の状態など）の2つからなり、反射角を計算し、算出された完璧な形からどれだけ外れているのかを評価します。
カットの優れたダイヤモンドは、取り込んだ光を反射させ、美しく光るのです。
またカラー評価と同様カットの評価は、ダイヤの輝きに影響する重要な要素となります。美しいダイヤの条件は、カット評価がExcellentであることといえるでしょう。
さらにハートアンドキューピッドと呼ばれるとてもロマンチックな模様が浮き上がるダイヤで、カット評価の3要素であるプロポーション、ポリッシュ、シンメトリー全てがExcellentであるトリプルエクセレントであればいうことなしですね。
トリプルエクセレントとは、文字通り3つの基準が全てExcellent評価であることを意味します。その3つとは、カットの総合評価であるプロポーションと、対称性を評価するシンメトリー、そして3つ目が研磨状態を評価するポリッシュとなります。この全てが最高評価であるExcellentを獲得している3Excellentのダイヤは、究極の美形を備えた、非常に価値ある希少なものであり、カット職人による芸術作品であるともいえるのではないでしょうか。
ハートアンドキューピッドとは、H＆C（ハートアンドキューピッド）とも呼ばれ、スコープでダイヤを覗くと裏面にハート、表面に矢の模様が浮かび上がるものがあります。
このロマンチックなダイヤは婚約指輪のダイヤとしては最適であると考えられています。
ハートアンドキューピッドは、カットのプロポーション（総合評価）と、シンメトリー（対称性）が優れているダイヤで見られる現象ですが、3Excellentであれば必ず現れるとは限らず、逆にVery Goodでも稀に見られることもあり、カットの評価に直接関係のあるものではないのです。
しかし、 ハートアンドキューピッドが見られるダイヤモンドとそうでないダイヤでは売買価格に差が出るため、実質上Excellentの上位クラスとして位置づけているのだそうです。